院長ブログ

2021

7月

16

東洋医学、中医学の可能性、出来ること。

新型コロナウィルスの蔓延に世界中が悩まされ、長きになっています。
ワクチンの登場により、少しずつ日常を取り戻してきている国もありますね。
この国でもワクチン接種が進み、今後は若い年齢層の接種が始まります。

言われているように、若年層では、副反応が出やすいとあります。
この副反応については、多くの方が心配や不安があるのでないでしょうか。

先日に、私がお世話になっている、漢方医の先生から、副反応を出来るだけ抑えるための中医学的視点からの対策(事前支度)を教えていただきましたので、ここに記し、シェアさせていただきます。ワクチン接種を考えている方は、参考になさってみてください。

①気陰両補:どの方も必要。気と陰を補う。気の持つ、防衛作用(免疫力)が高いほど、応答能力も高くなるので、より多くの中和抗体を期待できる。また、季節が暑い季節になりました。天候の暑さを受けることで、体内の熱量が増し、汗を多くかくことなどで水分(陰分)を失います。陰分が失われれば、体内の熱量を抑える力が弱ります。陰分を補うことで、接種後の熱化を抑えることが期待できます。
また、この補気補陰の考え方は、感染予防の考えにも共通します。
〇生薬方剤-生脈散(麦味参顆粒)
〇補気の食材:玄米、さつま芋、じゃがいも、山芋、大豆、カカオ、なつめ、アスパラ、枝豆、南瓜、椎茸、とうもろこし、舞茸、アボガド、さくらんぼ、桃、穴子、アンチョビ、鰻、海老、鰹、鮭、タコ、肉類、卵類、甘酒
〇補陰・滋陰の食材:山芋、黒豆、オクラ、木耳、人参、ほうれん草、鮎、イカ、はまぐり、鰤、肉類、卵類、チーズ、ヨーグルト
〇補気のツボ:足三里、気海、合谷

足三里:膝の下、外側のくぼみから指4本分下、すねの骨の際

合谷:親指と人差し指の間のくぼみ

〇補陰のツボ:三陰交、復溜

三陰交:内くるぶしから、指4本分上、すねの骨の際

復溜:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみから。指3本分

②活血化瘀:生活習慣病、心臓・脳血管疾患、高血圧、高脂血症、子宮筋腫、子宮内膜症、関節痛、血液凝固異常などの瘀血体質の方
血栓症などの副作用も報告されているため、上記症状など、血液循環が悪い方は、運動、ストレッチ、ストレス発散など身体を動かすこと、気分転換など含めて、しっかりと瘀血対策をとることが必要。
〇生薬方剤:地竜、丹参、冠心Ⅱ号方(冠元顆粒)、田七人参
〇活血の食材:黒米、黒豆、納豆、カカオ、山査子、オクラ、クレソン、玉ねぎ、チンゲン菜、茄子、ニラ、茗荷、レタス、プルーン、桃、ブルーベリー、アンチョビ、鰻、鰯、ししゃも、牛肉、甘酒、お酢
〇活血のツボ:三陰交、血海、膈兪、太衝

膝の上、膝蓋骨内側の角から指3本分上

膈兪:両肩甲骨下角を結んだ線上で、背骨から約指2本分外

太衝:足の親指と人差し指の間のくぼみ

③補腎:60歳以上の方。腎は、東洋医学の考えで、生命力、発育、生殖などに関係する。年齢を重ねた、50歳以降から衰退が強く見え始める。腎の弱さは、免疫力の低下にも繋がります。上記の補気と同時に補腎も必要と考える。
〇生薬方剤:五加参、紅景天、西洋人参
〇補腎の食材:黒米、八ツ頭、黒胡麻、枝豆、山芋、ゴボウ、ブロッコリー、マッシュルーム、プルーン、葡萄、ブルーベリー、鰻、海老、さざえ、ししゃも、すずき、すっぽん、鯛、なまこ、海苔、肉類、卵類
〇補腎のツボ:関元、太渓

関元:お臍から指3本分下

太渓:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ

新型コロナウィルスがもたらす、この状況から、一日でも早く、世界中が平穏となることを、心から願っております。


2021

6月

28

「暑がりなんです」それ本当は…

今年の梅雨、関東では梅雨らしいような雨が降っていないですね。
ここ鎌倉では、既にセミが鳴いています。このまま夏になるのでしょうか。

湿度が上がり、気温の上昇もあれば、暑く感じて、汗を多くかくものです。

しかし、気温の上昇がさほどでなくても、汗を良くかく方はいらっしゃいますよね。

患者さんのなかでも、そのような方は「暑がりなんです」と仰います。

しかし…それ間違いであることが多いのです。

まず、汗を多くかくということは、体内の水分量が多いということです。

水分量が多い方の共通点は、水分を沢山摂っているということ。

(一昔前から、健康の為に1日2ℓくらいの水分を摂りましょうと、メディア等で良くありますね。あれ、日本人の胃腸が弱いという体質にはあっていません。東洋医学の場に身を置く者としては、はっきりと言えます)

水分を摂りたくなるのには、暑く感じたり、喉の渇きを感じたりだと思います。そのうちの、“暑く感じる”というのがポイントとなります。

身体全体が熱く、乾き、水分を摂るということよりも、脳が熱をもっていて、暑く(熱く)感じることがあります。
臨床の現場にいると、それを診ることは少なくありません。

それはなぜ起きるのか…それは、簡単にいうと脳がストレス状態であるということです。

○“頭に血が上る”という言葉がありますが、イライラなど精神的ストレスがあると、そのようになり、熱を持つ
○睡眠不足が長期的になると、脳を休めている時間が少ないことから、脳がクールダウン出来ていなく、熱を持つ
○PCやスマホの見過ぎにより、脳が疲労し、熱を持つ

以上のようなことなどから、脳が熱を持ち、ストレス状態となると考えられます。現代医学的には、自律神経のバランスが乱れている状態です。

脳が熱を持つ→身体全体が熱く感じてしまう→冷たいものが欲しくなる

このサイクルが、汗を多くかくものに繋がります。

熱くなっているのは、脳です。なので、本当であれば脳を冷やせばいい。頭を冷やすということです。
しかし、実際冷やしている場所はどこですか?胃腸です。胃腸は、消化吸収をしている場所、水分を分けている場所です。

胃腸は、冷やされることで機能を落とします。より、冷たいものを摂り過ぎると、消化吸収、水分を分ける機能が落ち、体内に水分が溜まります。

この溜まった水分が、多く汗をかくことの原因です。

東洋医学の観点からは、暑がりでなく、(胃腸の)冷えと診ることが出来ます。

気温や湿度の上昇があれば、ついつい冷たいものを摂りがちになってしまいますよね。

しかし、胃腸を冷やすということは、多汗やむくみ、食欲不振、倦怠感、貧血などの症状を引き起こしますので、ご注意くださいね。

暑い時季の格言は「内(内臓)は冷やさず、外(頭・頚)冷やせ」です。


2021

6月

20

やはり鍼って凄いと思うのです。

いわゆる五十肩の症状の患者様。

2年もの間、大学病院の整形外科に通院し、様々な治療とリハビリを受けてきた。

しかし、改善の度合いは乏しく、ご紹介でお越しいただいた。

一度の鍼灸治療で大幅に症状が改善した。

「今までの2年間は何だったのか」と驚かれていました。

もうあとは手術しかないと言われていたそうで、ご本人としても「もう治らない」と思われていたそうで、施術後の笑顔は、こちらも嬉しくなるものでした。

現代医学(西洋医学)と古典・伝統医学、鍼灸治療(東洋医学)のどちらが優れているという話ではありません。

目の付け所という話です。

痛みや症状の改善は、精神的なケアともなり、生活の質の向上に繋がります。

この患者様、曇り空が晴れた空に変わっていくと思います。

とにかく良かった(*^_^*)


2021

6月

13

木々、鳥、空

なんとなく

例年に比べて

今年の新緑の木々は青々しく

鳥たちの歌声は音色が増え

空は澄んでいたように感じました。

それは私だけでなく、患者様方も同じように。

患者様との会話で、世界中の海の透明度が増して綺麗になったり、魚が戻ってきたり、空気の汚染度が減ったりしているのと同じかなとありました。

コロナの影響から、人の動きが一時的にでも少なくなったことで、人と自然の距離感が今までよりも広くなったことがその原因となっているのでないかと考えられます。

領域、一定の距離感は、自然と人間の間では必要なことなのでしょうね。

綺麗なものは、心を豊かにします。

綺麗なものは綺麗なままに保つための努力というものは、双方にとっての“与え与えられ”の好循環になるのでしょう。


2021

6月

01

必要なのは分かるのだが…嫌な季節に備えて

新しい月となりました。
今月も宜しくお願い申し上げます。

週間天気予報を見ると、曇りの日が続いております。
いよいよ梅雨の到来でしょうか。

ジメジメとし、体力、気力が奪われますね(*´Д`)

東洋医学では、湿気を湿邪と表し、粘滞性、下注性の性質を持ちます。また「湿邪は脾胃(胃腸)を傷める」とあります。
ベタベタ、ネバネバしたものですから、身体に影響すると、気・血・水の流れを阻害します。より“お腹の張り、食欲不振、軟便下痢、悪心嘔吐、浮腫み”を主としながら“頭痛、頭重、瘀血(血液循環の悪さ)、しつこい痛み”などが表れやすくなります。

梅雨時季の養生は、上記からも分かるように、とにかく胃腸に負担をかけないこと。キホンノキは、腹八分目、冷飲冷食を控える、ストレスを内側に溜めないことです。

いつもこの時季に調子を崩しやすいと感じている方は、以下のものを参考にして養生してくださいね。気象庁の発表によれば、今年の夏は例年以上に暑いらしいので…今のうちから。

【梅雨時季の食養生】
○胃腸機能を補う食材
大麦、黒米、玄米、米麹、はとむぎ、じゃがいも、山芋、黒豆、大豆、アーモンド、棗、オクラ、小松菜、生姜、チンゲン菜、トウモロコシ、茄子、人参、にんにくの芽、ネギ、ブロッコリー、オレンジ、アンチョビ、鯛、鱧、肉類、卵類
○軟便下痢、浮腫みに良い食材
大麦、玄米、はとむぎ、春雨、黒豆、カカオ、アスパラガス、きゅうり、高菜、トウモロコシ、茄子、白菜、ブドウ、メロン、鯉、昆布、鯛、鱧、鴨肉

また、クミン、シナモン、コリアンダーなどのスパイスを上手に取り入れ、水分代謝を促すことも良いですよ!

【梅雨時季におススメのツボ】
指圧、お灸などをして、刺激をしてみてください。

○胃腸機能を補うツボ

中脘:みぞおちとお臍の中間

気海:お臍の下、指2本分

足三里:膝の外のくぼみから指4本分下。脛骨の際

三陰交:内くるぶしの頂点から指4本分上、脛骨の際

○水分代謝を促し、軟便下痢、浮腫みに良いツボ

陰陵泉:膝の内側、脛骨を擦上して止まるところ。くぼみ。

胃腸は、身体の中心に位置します。より、全身への影響性を持ちます。
良ければ、他の内臓を栄養し、機能を促します。悪ければ、それらを阻害し、落とします。
また、腸脳連関という言葉が、最近になり、注目されていますが、腸の機能がダウンすると、脳を上手く栄養出来ず、自律神経バランスを崩し、全身症状を引き起こしたり、メンタルバランスを崩すことにも繋がります。
「腸は脳の母」「脳は腸から造られた」とも言われているのですよ。

脾胃(胃腸)は、後天の精(気血の元)を造る、気血生成の源です。
胃腸って、とーても大切なのです!!