院長ブログ

2021

10月

05

笑顔がもたらすもの

先日に「日本人女性の笑顔に関する調査」という記事を目にした。そこには、以下のように書かれていた。
“20代から50代の800名に調査したところ、1日に笑った回数は平均約13.3回、時間に換算すると、推計30秒未満という短さ。就学前の子どもが1日に笑う回数は、平均400回と言われているので、それと比較すると1/30の値である。さらに、年代を経るごとに、その回数・時間ともに減少傾向にあるようで、これは由々しき事態である”
(ちなみに男性は、もっと笑っていないそうです)

年齢とともに笑顔が減っていく…無邪気だけではいられず、社会に入っていけば、一定のルールの中にあったり、様々な人との関わりから、自分ペース、本心だけではいられずに作り笑いは増えても、心からの笑顔は減っていくのは、どこか必然なのだろうなとも思います。

しかし、笑顔が減るというのは、健康上もやはり良いことではありません。

東洋医学の視点では、笑顔に含まれる喜びの感情は、最も良性の感情であるといい、その感情は“心を表し、心に作用する”と解釈できる。また「心は血脈を主る」と言います。より、喜びの感情があれば、心に作用し、血液循環が良くなるということになります。

思い返してみてください。実際そうですよね。楽しく、喜びの感情のなかにある時、人の顔色はほんのりと赤やピンク色になっていますよね。あれは、血液循環が良くなっている証拠です。

逆に顔色が、青や黒っぽく、くすんでいる。というのは笑顔が少ないことも想像できます。

そのような方には、やはり、頚肩のこり、頭痛、耳鳴り、眩暈、不眠、呼吸が浅いなどの症状を診ることは少なくありません。精神的な緊張があり、血液循環が悪い表れです。

自律神経的には、バランス失調、交感神経優位の状態ですね。

上記のような症状がある方、笑えていますか?
どんなことで心から笑うことが出来ていたでしょうか?

笑顔は、医学的に考えても、必要なことです。

あいのわ鍼灸治療院の臨床テーマは「生きたい方向へのお手伝い」です。

当院の鍼灸治療を通して、笑顔の時間が増えるお手伝いが出来たらと思っています。


2021

7月

27

日本の夏、暑すぎる夏

早いもので7月が終わろうとしている。
7月1週目までは、梅雨空で、降れば大雨で、梅雨明けと同時に一気に暑くなりましたね。近年では、なかなか“徐々に”ということが無く、振り切るような、バランスの悪い気候が続いていますね。
これでは、身体がついていかない…

そのせいもあってか、調子を崩している患者様が多く、暑い中でも、多くの患者様にお越しいただき、有難く感じています。まして、未だ続く、このような状況下でもあるので、ご信頼を頂戴していることに心より感謝しております。

夏となれば、暑い!当たり前かもしれませんが、本当に暑いですよね。

東洋医学の考えでは、暑邪(しょじゃ)が主役となります。
ただ、日本の夏は、暑いだけでなく、湿度が高いですよね。より、詳しくすると、暑邪は、暑熱と暑湿に分けられます。それぞれが身体にもたらすものは、以下の通りです。

暑熱:高熱、口渇、心煩(胸の辺りが熱く感じて落ち着かない感覚)、大汗などを起こしやすく、気と津液(汗、涙、鼻水など体内の水分の総称)を消耗しやすく、乏力(無気力)、呼吸短促(息切れ)などの症状があらわれる

暑湿:身熱起伏、四肢困倦(四肢が重く、疲れている)、食欲不振、胸悶、悪心嘔吐、大便異常、小便短赤などの症状があらわれる

上記症状で気を付けなければならないのは、暑熱の大汗。汗を大量にかくことは、気と津液の消耗となると記しましたが、津液は、血の構成成分でもあるので、発展的には、貧血を作ります。より、運動などの汗のかきすぎには、ご注意くださいね。

暑湿では、身体が重く、食欲不振が出やすくなります。この場合、多くの方が、ダルいので、横になって休むことを選択なさいますが、重さやダルさの原因は体内の湿気ですので、身体を動かし、汗、お小水、便などの排泄を促し、体内の水分調整をするようにしてください。

しかし、現代においては、それらよりも夏場に起きやすいのは“冷え”でないでしょうか。夏だからと、冷たいものを多く摂る。また、今ではどこに行っても、冷房が入っている。内臓を冷やしている状態に冷房の風を受ければ、より身体は冷えます。冷えれば、内臓機能は減退し、血液の循環は悪くなります。
せめて、冷房が効いている空間では、摂るものは、温かいものにしてみてください。また、暑いからと、シャワーだけで済まさず、湯船に浸かり、身体を温めてくださいね。


2021

7月

16

東洋医学、中医学の可能性、出来ること。

新型コロナウィルスの蔓延に世界中が悩まされ、長きになっています。
ワクチンの登場により、少しずつ日常を取り戻してきている国もありますね。
この国でもワクチン接種が進み、今後は若い年齢層の接種が始まります。

言われているように、若年層では、副反応が出やすいとあります。
この副反応については、多くの方が心配や不安があるのでないでしょうか。

先日に、私がお世話になっている、漢方医の先生から、副反応を出来るだけ抑えるための中医学的視点からの対策(事前支度)を教えていただきましたので、ここに記し、シェアさせていただきます。ワクチン接種を考えている方は、参考になさってみてください。

①気陰両補:どの方も必要。気と陰を補う。気の持つ、防衛作用(免疫力)が高いほど、応答能力も高くなるので、より多くの中和抗体を期待できる。また、季節が暑い季節になりました。天候の暑さを受けることで、体内の熱量が増し、汗を多くかくことなどで水分(陰分)を失います。陰分が失われれば、体内の熱量を抑える力が弱ります。陰分を補うことで、接種後の熱化を抑えることが期待できます。
また、この補気補陰の考え方は、感染予防の考えにも共通します。
〇生薬方剤-生脈散(麦味参顆粒)
〇補気の食材:玄米、さつま芋、じゃがいも、山芋、大豆、カカオ、なつめ、アスパラ、枝豆、南瓜、椎茸、とうもろこし、舞茸、アボガド、さくらんぼ、桃、穴子、アンチョビ、鰻、海老、鰹、鮭、タコ、肉類、卵類、甘酒
〇補陰・滋陰の食材:山芋、黒豆、オクラ、木耳、人参、ほうれん草、鮎、イカ、はまぐり、鰤、肉類、卵類、チーズ、ヨーグルト
〇補気のツボ:足三里、気海、合谷

足三里:膝の下、外側のくぼみから指4本分下、すねの骨の際

合谷:親指と人差し指の間のくぼみ

〇補陰のツボ:三陰交、復溜

三陰交:内くるぶしから、指4本分上、すねの骨の際

復溜:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみから。指3本分

②活血化瘀:生活習慣病、心臓・脳血管疾患、高血圧、高脂血症、子宮筋腫、子宮内膜症、関節痛、血液凝固異常などの瘀血体質の方
血栓症などの副作用も報告されているため、上記症状など、血液循環が悪い方は、運動、ストレッチ、ストレス発散など身体を動かすこと、気分転換など含めて、しっかりと瘀血対策をとることが必要。
〇生薬方剤:地竜、丹参、冠心Ⅱ号方(冠元顆粒)、田七人参
〇活血の食材:黒米、黒豆、納豆、カカオ、山査子、オクラ、クレソン、玉ねぎ、チンゲン菜、茄子、ニラ、茗荷、レタス、プルーン、桃、ブルーベリー、アンチョビ、鰻、鰯、ししゃも、牛肉、甘酒、お酢
〇活血のツボ:三陰交、血海、膈兪、太衝

膝の上、膝蓋骨内側の角から指3本分上

膈兪:両肩甲骨下角を結んだ線上で、背骨から約指2本分外

太衝:足の親指と人差し指の間のくぼみ

③補腎:60歳以上の方。腎は、東洋医学の考えで、生命力、発育、生殖などに関係する。年齢を重ねた、50歳以降から衰退が強く見え始める。腎の弱さは、免疫力の低下にも繋がります。上記の補気と同時に補腎も必要と考える。
〇生薬方剤:五加参、紅景天、西洋人参
〇補腎の食材:黒米、八ツ頭、黒胡麻、枝豆、山芋、ゴボウ、ブロッコリー、マッシュルーム、プルーン、葡萄、ブルーベリー、鰻、海老、さざえ、ししゃも、すずき、すっぽん、鯛、なまこ、海苔、肉類、卵類
〇補腎のツボ:関元、太渓

関元:お臍から指3本分下

太渓:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ

新型コロナウィルスがもたらす、この状況から、一日でも早く、世界中が平穏となることを、心から願っております。


2021

6月

28

「暑がりなんです」それ本当は…

今年の梅雨、関東では梅雨らしいような雨が降っていないですね。
ここ鎌倉では、既にセミが鳴いています。このまま夏になるのでしょうか。

湿度が上がり、気温の上昇もあれば、暑く感じて、汗を多くかくものです。

しかし、気温の上昇がさほどでなくても、汗を良くかく方はいらっしゃいますよね。

患者さんのなかでも、そのような方は「暑がりなんです」と仰います。

しかし…それ間違いであることが多いのです。

まず、汗を多くかくということは、体内の水分量が多いということです。

水分量が多い方の共通点は、水分を沢山摂っているということ。

(一昔前から、健康の為に1日2ℓくらいの水分を摂りましょうと、メディア等で良くありますね。あれ、日本人の胃腸が弱いという体質にはあっていません。東洋医学の場に身を置く者としては、はっきりと言えます)

水分を摂りたくなるのには、暑く感じたり、喉の渇きを感じたりだと思います。そのうちの、“暑く感じる”というのがポイントとなります。

身体全体が熱く、乾き、水分を摂るということよりも、脳が熱をもっていて、暑く(熱く)感じることがあります。
臨床の現場にいると、それを診ることは少なくありません。

それはなぜ起きるのか…それは、簡単にいうと脳がストレス状態であるということです。

○“頭に血が上る”という言葉がありますが、イライラなど精神的ストレスがあると、そのようになり、熱を持つ
○睡眠不足が長期的になると、脳を休めている時間が少ないことから、脳がクールダウン出来ていなく、熱を持つ
○PCやスマホの見過ぎにより、脳が疲労し、熱を持つ

以上のようなことなどから、脳が熱を持ち、ストレス状態となると考えられます。現代医学的には、自律神経のバランスが乱れている状態です。

脳が熱を持つ→身体全体が熱く感じてしまう→冷たいものが欲しくなる

このサイクルが、汗を多くかくものに繋がります。

熱くなっているのは、脳です。なので、本当であれば脳を冷やせばいい。頭を冷やすということです。
しかし、実際冷やしている場所はどこですか?胃腸です。胃腸は、消化吸収をしている場所、水分を分けている場所です。

胃腸は、冷やされることで機能を落とします。より、冷たいものを摂り過ぎると、消化吸収、水分を分ける機能が落ち、体内に水分が溜まります。

この溜まった水分が、多く汗をかくことの原因です。

東洋医学の観点からは、暑がりでなく、(胃腸の)冷えと診ることが出来ます。

気温や湿度の上昇があれば、ついつい冷たいものを摂りがちになってしまいますよね。

しかし、胃腸を冷やすということは、多汗やむくみ、食欲不振、倦怠感、貧血などの症状を引き起こしますので、ご注意くださいね。

暑い時季の格言は「内(内臓)は冷やさず、外(頭・頚)冷やせ」です。


2021

6月

20

やはり鍼って凄いと思うのです。

いわゆる五十肩の症状の患者様。

2年もの間、大学病院の整形外科に通院し、様々な治療とリハビリを受けてきた。

しかし、改善の度合いは乏しく、ご紹介でお越しいただいた。

一度の鍼灸治療で大幅に症状が改善した。

「今までの2年間は何だったのか」と驚かれていました。

もうあとは手術しかないと言われていたそうで、ご本人としても「もう治らない」と思われていたそうで、施術後の笑顔は、こちらも嬉しくなるものでした。

現代医学(西洋医学)と古典・伝統医学、鍼灸治療(東洋医学)のどちらが優れているという話ではありません。

目の付け所という話です。

痛みや症状の改善は、精神的なケアともなり、生活の質の向上に繋がります。

この患者様、曇り空が晴れた空に変わっていくと思います。

とにかく良かった(*^_^*)