先月末から、ギックリ腰の症状で、お越しいただく患者様が続いている。
軽いものから重いものまで様々である。
ギックリ腰の発症に関して、現代医学的では、原因不明となっていたと思う。
しかしながら、今時季や季節の変わり目、冬場に多い印象がある。
今時季のものに関して、中医学においては、「湿邪(湿気)」を鍵に、次のように考えられる。
《湿邪の特徴》
① 沈重性、下降性:湿邪は重いので、湿邪におかされた部位が重い、重だるいなどの感覚を覚える。また、下半身に影響しやすく、足腰が重い、むくむなどの症状をあらわす。
② 定着:湿邪は定着性が高い。一度、体内に侵入するとなかなかとり除くことが難しい。より、症状が長引き、治りにくいという特徴がある。
④ 粘膩性・粘滞性:ベタベタ、ジトジトしたものであるため、汗が張り付く、大便がベトベトしている、舌苔が厚く着くなどの症状があらわれる。
⑤ 脾を傷める:湿邪が体内に停滞すると、脾(消化器)の機能を妨げやすくなる。より、食欲不振、腹のつかえ、悪心や嘔吐、手足がむくむなどの症状をあらわす。
⑥ 気の運行を妨げる:湿邪は同じ場に停滞しやすく、その気の運行を妨げ、血の停滞を呼び、痛みを発生させやすい。
上記までを考えると、腰に、湿邪が侵入し、気血の巡りを阻害したことで、ギックリ腰になったことが考えられる。
より、治療においては、湿邪を取り除きやすくするために、お灸・灸頭鍼をよく使い、気血の巡りを促すようにする。
また、
〇もとよりに胃腸が弱い
〇日頃より冷飲冷食を好み、胃腸を冷やし傷めることで体内に水が溜まっている
〇運動不足があり、体内に水が溜まっている
〇ストレスの影響から、暴飲暴食、甘いものやお酒など糖質の摂り過ぎがある
これらがある方が、今に時季にギックリ腰になりやすい。
思い当たることがある方は、ご注意ください。
梅雨時季は、曇天雨天で日照時間の不足があり、脳が活性化せず、気鬱になる傾向にある。また、気温差、気圧、湿度に対し、自律神経が反応し、バランスを失うことで、倦怠感、耳鳴りやめまい、頭痛、胃腸症状など、全身症状が現れやすい。
梅雨の不調は、夏バテを呼び、夏バテは、秋冬の風邪や冷えを作りやすい。
視点を、一にすることなく、大きな視野でバランスを意識して、養生することを心掛けてください。