当院には、西洋医学、現代医学で原因が分からない、診断がつかない症状でお困りの方が多くいらっしゃる。そのようなものに対して、医療、人の力は全くの無力なのだろうか。
暫く前から「下肢がふらついて、おぼつかない」と訴える、70代女性の患者様を診させていただいている。
現代医学的には、脊柱管狭窄症の疑いとされ、検査をした。また静脈瘤を伴うために、血管・血液の検査をしたが、いずれも異常はなかった。
しかし、症状は、毎日、常に感じており、精神状態は疲れてきていた。
問診、舌脈、脈診、その他全身所見から、中国医学的に診断をした。
「肝風内動、腎陽虚」
「肝風内動、腎陽虚」
症状の重さ、患者様の精神状態を考慮し、私が信頼する漢方医の先生をご紹介し、鍼灸施術と合わせていくこととした。
回数を重ね、冷えきっていた足が温かくなってきた、出が悪かった小水が出るようになってきた、足のむくみが改善されてきた、そして「小さなことでも喜べるようになってきた」と精神的な余裕が出てきた。
東洋医学、中医学には、診断名のつかない、原因不明の症状を改善する、可能性がある。
雪雲に覆われたような毎日であったが、隙間から光がさしてきたように思う。
そう、二人で話した。
完治までには、まだもう少し時間がかかると思うが、このまま、食養生、運動指導内容までも合わせながら行けば、きっとゴールとなると思っている。