今年の梅雨、関東では梅雨らしいような雨が降っていないですね。
ここ鎌倉では、既にセミが鳴いています。このまま夏になるのでしょうか。
湿度が上がり、気温の上昇もあれば、暑く感じて、汗を多くかくものです。
しかし、気温の上昇がさほどでなくても、汗を良くかく方はいらっしゃいますよね。
患者さんのなかでも、そのような方は「暑がりなんです」と仰います。
しかし…それ間違いであることが多いのです。
まず、汗を多くかくということは、体内の水分量が多いということです。
水分量が多い方の共通点は、水分を沢山摂っているということ。
(一昔前から、健康の為に1日2ℓくらいの水分を摂りましょうと、メディア等で良くありますね。あれ、日本人の胃腸が弱いという体質にはあっていません。東洋医学の場に身を置く者としては、はっきりと言えます)
水分を摂りたくなるのには、暑く感じたり、喉の渇きを感じたりだと思います。そのうちの、“暑く感じる”というのがポイントとなります。
身体全体が熱く、乾き、水分を摂るということよりも、脳が熱をもっていて、暑く(熱く)感じることがあります。
臨床の現場にいると、それを診ることは少なくありません。
それはなぜ起きるのか…それは、簡単にいうと脳がストレス状態であるということです。
○“頭に血が上る”という言葉がありますが、イライラなど精神的ストレスがあると、そのようになり、熱を持つ
○睡眠不足が長期的になると、脳を休めている時間が少ないことから、脳がクールダウン出来ていなく、熱を持つ
○PCやスマホの見過ぎにより、脳が疲労し、熱を持つ
以上のようなことなどから、脳が熱を持ち、ストレス状態となると考えられます。現代医学的には、自律神経のバランスが乱れている状態です。
脳が熱を持つ→身体全体が熱く感じてしまう→冷たいものが欲しくなる
このサイクルが、汗を多くかくものに繋がります。
熱くなっているのは、脳です。なので、本当であれば脳を冷やせばいい。頭を冷やすということです。
しかし、実際冷やしている場所はどこですか?胃腸です。胃腸は、消化吸収をしている場所、水分を分けている場所です。
胃腸は、冷やされることで機能を落とします。より、冷たいものを摂り過ぎると、消化吸収、水分を分ける機能が落ち、体内に水分が溜まります。
この溜まった水分が、多く汗をかくことの原因です。
東洋医学の観点からは、暑がりでなく、(胃腸の)冷えと診ることが出来ます。
気温や湿度の上昇があれば、ついつい冷たいものを摂りがちになってしまいますよね。
しかし、胃腸を冷やすということは、多汗やむくみ、食欲不振、倦怠感、貧血などの症状を引き起こしますので、ご注意くださいね。
暑い時季の格言は「内(内臓)は冷やさず、外(頭・頚)冷やせ」です。