当院には様々な症状で患者様にお越しいただく。
鍼灸院への来院動機の頚こり、肩こり、腰痛などは勿論であるが、もしかすると一般鍼灸院よりも内科疾患でお越しいただく率は高いかもしれない。
最近のご新規の患者様で、ちょっと印象的だったお話。
お悩みは「10年来の副鼻腔炎」鼻のつまりがあるとのこと。
内科にかかり、薬の服用を続けているが改善がみられず、考え、調べた結果に東洋医学、鍼灸を受けてみようと思われた。
問診をしてみると、副鼻腔炎の定義には全てが当てはまっていないように思えた。
鼻のつまり以外の症状、身体全体に感じていることなどに加え、東洋医学の診断方法の舌診、脈診などを行い、全体像を見ると「瘀血」血液の循環の悪さが見えてきた。
この方の場合、瘀血の原因は、精神的に緊張しやすいこと。気の滞りであった。
より、そのお話もさせていただき、処方は気を緩め、気血を巡らせることを第一とした。
物事は言語化できると目的、目標などがはっきりするので楽であると思う。
反面、もし適切な言語がまだ無かった場合には、今ある言語に入れ込んでしまうことがあり、決めつけられ、世界が固まってしまうようで、本当が見えてこなくなってしまうようで、怖く感じる。
日々臨床をさせていただいていると、教科書通りにはいかないことの方が多い。
人はそんなに簡単ではない。
まさに、臨床の臨は臨機応変のことだと感じる。
東洋医学は人を診る医学。
自然環境、人間環境、生活状況、精神状況など様々から診る。
ひとつひとつを丁寧に診させていただきたいと思います。