夏目漱石が名づけたと言われている肩こり。日本人のみにあると言われている肩こり。
現代西洋医学では自律神経の失調以外、実は原因が不明と言われている。
古くから東洋医学では様々なパターンから起こるものとして伝えられています。
【実証:急性期また一時的なもの。痛みは強いが長引かない】
風寒:外の風の冷たさが身体に影響し、気血の巡りが悪くなり、肩が凝ってしまうもの。
肝鬱:イライラや抑鬱など、精神的ストレスにより気血の巡りが悪くなり、肩が凝ってしまうもの
【虚証:慢性期また以前からの体質、生活習慣によるもの。痛みはさほど強くないが、長引くもの】
肝血虚:元来の胃腸の弱さや加齢、長引く疲労などにより、身体に血が足らなくなり、筋肉を栄養出来ていないもの
肺気虚、脾気虚、腎虚:呼吸器の弱さ、胃腸の弱さ、加齢や根本からの疲労などからくるもの。体質、食生活や睡眠など生活の状態、自然や人などの環境因子などから、身体の中に元気が不足し、起こってくるもの。
【虚実夾雑証:慢性的または時にそれに急性的なものにより助長される。痛みは強い時弱い時がある。長引くもの】
肝陽上亢:長く睡眠不足、水分不足があったり、疲労や加齢から身体がクールダウンできていない状態。また、長くストレスを受け、眠れない日々を重ねるなど、神経が立ち、クールダウンできていない状態
上記のなかでも恐らく日本人において1番多いものは【脾気虚からの肩こり】脾気虚を分かり易くいうと、胃腸の弱さ。東洋医学において、脾=胃腸は気血生成の源と言われ、生きていく上で最も大切とする場所。脾が弱ければ、気血が身体に足らなくなり、各器官を栄養出来なくなってしまう。また、脾は水分代謝をおこなっている場所でもある。弱ってしまうと水分代謝が悪くなり、下痢や軟便、むくみ、全身疲労や身体全体が重くなる、食欲不振、痰が絡むなどの症状を引き起こす。
姿勢においては猫背になりやすくなる。猫背に加え、疲労から頭を垂れるようになると、肩甲骨の間にある筋肉は頭の重みに引っ張られ、いずれはコリになってしまう。
軽症であれば、軽い運動やマッサージでも改善は期待できる。
少し程度が進行してしまうと冷えを伴うことが多くなる。この場合は、脾の機能を補いながら、局所もお灸などで良く温め、気血の巡りを促し、栄養するようにする。
水分代謝が悪くなっている場合は、曇天、雨天時に肩が重くなることがある。この場合はまず水分代謝を良くするようにする。運動や香辛料の効いた発汗を促す食事、サウナもいいかもしれない。鍼灸治療においても、水分代謝を促す処方にする。
また、脾の弱さはもともとの体質以外にも、ストレスにより傷めても起きてくる。
この場合は肩甲骨の間のコリ、重さに加えて、頚の横から肩の上にかけてのコリが出やすくなる。ふと気づくと頚を左右に倒してストレッチをしていると思う。
このように肩のコリは自然環境、体質、生活環境など様々なことから起きてくる。原因は多岐にわたる。
東洋医学、鍼灸治療においては、それを細かく追い、改善に向かって治療します。
肩こりは慣れてはいけない、ほっておいてはいけない、馬鹿にしちゃいけない。
発展には恐い症状を引き起こすこともあります。
ご相談ください(^_^)
“施すこと 与えることは 生きること”