人の耳・目・口・体の、見ること・聞くこと・飲み食うこと・好色を好むこと・各自の好める慾あり。
これを嗜慾という。
嗜慾とは、このめる慾なり。欲はむさぼる也。
飲食色慾などをこらえずして、むさぼりて欲しいままにすれば、節に過ぎて、身をそこない礼儀に背く。
【現代文】
人の耳、目、口、身体の見ること、聞くこと、飲み食うこと、好色を好むこと、すべてに好きだという欲がある。
これを嗜欲という。
飲食、色欲などをむさぼるように欲しいままにすると、節度を越して、身を損ない、礼儀に背くことになる。
【一言】
人は欲望のまま、節度なく過度に欲しいまま行うと、身体をこわし、人から疎んじられるものです。