養生の術は、まずわが身をそこなふ物をさるべし。身をそこなふ物は、内慾と外邪なり。
内慾とは、飲食の慾、好色の慾、睡の慾、言語をほしいままにする慾と、喜・怒・憂・思・悲・恐れ・驚の七情の慾をいふ。
外邪とは天の四気なり。風・寒・暑・湿をいう。
内慾をこらえてすくなくし、外邪をおそれてふせぐ。
是をもって元気をそこなわず、病なくして天年を長くたもつべし。
【現代文】
養生の術は、まず身体のためにならぬものをのぞかなければならない。それは、内欲と外邪である。
内欲とは飲食、好色、睡眠の欲、好き勝手をいう欲と喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七つの心のわがままをいい
外邪は風・寒・暑・湿の四つの環境をいう。
内欲を我慢して少なくし、外邪はできるだけ避けてふせぐ。
これで元気を損なわず、健康で長寿をたもとう。
【一言】
養生では、身体に何が大切か知ることが大事です。飲食、色恋、睡眠など欲しいままにとったり、行い、勝手にわがままに生きて、寒さ、暑さなどもかえりみないことは不健康のもとになります。