先日に上野・国立科学博物館で行われている「医は仁術展」へ行ってきました。
日本の西洋・東洋両面の医療の歴史を学ぶことができ、現代日本の医療者が忘れてきてしまっているかのように思える「仁術」という意味を再確認できた。また「あ、俺は間違っていない」と思えた実りある時間となりました。
展示されているものの中で、記しておきたいものを何回かに分けて記します。
『仁と養生』
医を行うにあたって、医者の「仁」は必要条件であるが、十分ではない。すなわち、患者の側の「養生」があって初めて、必要十分な医が行えることになろう。日本は現在、世界一の長寿国であるが、それはこの「仁」と「養生」が日本の風土に根付き、今も続いていることに他ならないと思う。人々がより安心に、健康でいるために、「養生」は予防医学としての知識でもある。「仁」は「養生」を育て、「養生」は「仁」と共に続いていかなければならない。
『監修者:国立科学博物館 鈴木一義 さんより』
「仁」は儒教で重視された“他を想う心”である。古来より“和”を大切にしてきた日本で、「仁」は身分の上下なく、誰もが持つべき思想として人々に受け入れられた。