先日、ご新規の患者様にお越しいただきました。
主訴は「帯状疱疹」による背部から胸脇部の痛み。
帯状疱疹は、ヘルペスウィルスの一種である水痘・帯状疱疹ウィルスによって発症するもの。子供のころに水疱瘡を罹患すると、そのウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜伏します。通常は免疫力によってウイルスの活動が抑えられていますが、大人になっても疲れやストレスが加わると再び活動をはじめます。ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹が出る帯状疱疹を発症します。
この患者様は、2か月程前に鎌倉にお引越しをされてきたそうで、その引っ越し作業がストレスであったとお話しくださいました。
都内にお住まいでしたが、この状況下に仕事がほぼテレワークとなったことから、環境の良いところへと考えられたそうです。
中医学において、ストレスは「気滞」気の滞りと考えます。気の巡りは、全身の血や水の流れを作っています。また、内臓活動を円滑にする働きもあります。より、気が滞れば、血瘀(血液循環の悪さ)、水滞(水の代謝異常)や内臓の機能低下などを引き起こします。
帯状疱疹においても、多くの場合はそのように考えます。
ストレスや疲れからの血液循環の悪さ、胃腸機能の低下から水分代謝低下が起き、体内に湿邪(湿気)が発生して停滞したことが合わさり、熱を帯びて皮膚炎として発症したと考えます。
治療においては、熱を冷ますこと、血液循環を促すことを治療方針とし、その効果を持つ経穴(ツボ)を処方します。また、この際には、ストレスケアや疲れの補うことも目的にします。
帯状疱疹の治療は確かに難しさはありますが、本質を見て、ケアすることで緩解することが出来ます。
治療後、この患者様からは「スッキリしました」と笑顔でお伝えいただきました(*^_^*)