肩こりは、頚や頚の付け根、肩上部、肩甲間部などの筋肉が硬く、引きつり、重く感じるもの。また、様々な疼痛や圧痛を伴い、頚の可動域制限を受けることも多い。
現代医学においても原因は明らかでないが、冷え、心身の疲労、血液循環障害などの関連がある。
中医学では、外的要因、内的要因により起こると考えている。
【主な肩こりの分類】
1⃣外感性肩こり
①風寒による肩こり
風寒が身体、経絡に影響し、頚項部が引きつることによって起こる。酷い場合は、肩背部にまで及ぶ。
2⃣内傷性肩こり
①肝陽亢進
陰虚の為に陽を制御できないと、肝陽が上犯し、頭頚部に突き上げ、つまることにより起こる。
〇症状:肩こり、後頸部から背部にかけての脹り、悪寒発熱、関節痛、全身倦怠感、脈浮緊。
②肝血不足
長くものを見ることにより目が疲れたり、病後や産後の血の消耗により身体、経絡を濡養することが出来なくなり、引きつり、気血がスムーズに流れなくなること起こる。
〇症状:肩こり、めまい、眼精疲労、目のかすみ、目の乾き、顔色は黄色く艶がない、舌淡、脈細
③寒飲
もとよりに胸に寒飲が停滞しており、胸陽不宣になると背部が重く引きつることで起こる。
〇症状:肩こり、胸悶、喘息、めまい、軽度の浮腫、舌苔白膩、脈濡緩
④気滞血瘀
ストレスなどにより情志が伸びやかでなく、憂鬱で喜びに欠けると肝の疏泄が悪くなる。そのために気の巡りが悪くなり、酷い場合には血行障害が起こる。また外傷や姿勢が正しくないために、気滞血瘀となり、起こる。
〇症状:肩こり、気分が塞ぐ、怒りっぽい、胸脇苦満・脹痛、月経不調、舌質暗紅または紫、瘀点瘀斑、脈弦渋
夏目漱石が、小説『門』で「石のように凝っていた」という表現を用いたところから広まったとされている「肩こり」 厚生労働省の2021年の調査では、男性は1000人あたり57.2人、女性は1000人あたり113.8人が肩こりを訴える、国民病と言えるものである。また、西洋医学では、不治の病と言われ、鍼灸師業界では、「肩こりの治療にはじまり、肩こりの治療に終わる」とも言われる。 肩こりは、姿勢、目の疲労、噛み合わせ、噛み締め、歯ぎしり、血行不良などから起きると考えられているが、多くは、栄養不足や自律神経失調の関与があるため、難治性である。 また、左肩のこりは、心臓、胃。右肩のこりは、肝臓・胆嚢の内臓疾患でも起きる。 その場合は、内臓の状態が改善しないと、肩こりは緩和しない。
誰にもあり、当たり前のようにある肩こりだが、バカにしてはいけない。 頭痛、耳鳴り、耳詰まり、めまい、のぼせ、頭が働かない、不眠など起こす可能性もある。また、呼吸が浅くなるため、体内が酸欠状態になり、疲れやすくもなる。
日本人は、その体型に合わせ、スマホ、PC、タブレットなどの便利ツールの影響から、姿勢の悪化、脳の興奮から、肩こりとの付き合いは深くなっている。 しかしながら、それらは生活の一部となり、切るには難しい。 ならば、ケアをしながら生活をする、ということが必要なのだろう。
東洋医学、中医学は、「人を診る医学」大きな視野で、皆様の肩こりの改善に、尽力いたします。
長らく肩こりと付き合っているという方は、是非ご相談ください。治すということに、東洋医学・中医学を選択してみてください。